野外で廃棄物などを燃やす「野焼き」は、法律で禁止されている行為です。例外として認められる事例もありますが、周辺環境に影響のない範囲で行う必要があります。
 山形県内でも林野火災が増えており、その原因として野焼きからの延焼も多いことから、尊い生命と貴重な財産を守るために、ご理解をお願いいたします。

野焼きにあたる行為

 野焼きとは、野外で家庭ごみや雑草などの廃棄物を燃やす行為のことです。平地で燃やすのはもちろん、ブロックなどで囲まれたスペース(家庭用焼却炉)やドラム缶の中で燃やすことも野焼きにあたります。ごみを燃やすときは、法律で決められた基準を満たす焼却炉を使わなくてはならないため、野焼きは法律や条例で禁止されており、例外とされる場合を除いては行うことができません。

野焼きが禁止されている理由

 野焼きが禁止されている主な理由としては次の三つがあげられます。

・近所迷惑
・火災の危険性がある
・環境汚染につながる

 ごみを燃やすと大量の煙や臭いが発生し、「煙たくて窓が開けられない」「洗濯物に臭いがつく」など近隣に迷惑をかけてしまいます。風向きによっては火災の原因にもなり、とても危険です。
 また、ダイオキシン類などの有害物質が発生し、環境汚染の直接的な要因になります。

焼却を禁止する法律

 野焼きは、以下のとおり「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第16条の2で禁止されています。

(焼却禁止)
第十六条の二 何人も、次に掲げる方法による場合を除き、廃棄物を焼却してはならない。
一 一般廃棄物処理基準、特別管理一般廃棄物処理基準、産業廃棄物処理基準又は特別管理産業廃棄物処理基準に従って行う廃棄物の焼却
二 他の法令又はこれに基づく処分により行う廃棄物の焼却
三 公益上若しくは社会の慣習上やむを得ない廃棄物の焼却又は周辺地域の生活環境に与える影響が軽微である廃棄物の焼却として政令で定めるもの

引用:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 | e-GOV

 法律によって野焼きが禁止されたのは、2001(平成13)年4月1日からです。翌年12月には、構造基準を満たさないとして家庭用焼却炉も使用禁止になりました。

違反した場合の罰則

 野焼き禁止に違反した場合の罰則は、同じく「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第25条にて次のように定められています。

第二十五条 次の各号のいずれかに該当する者は、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
(一~十四号省略)
十五 第十六条の二の規定に違反して、廃棄物を焼却した者

引用:廃棄物の処理及び清掃に関する法律 | e-GOV

野焼きが例外的に認められる事例

 焼却禁止の例外については「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の第16条の2と同施行令第14条に定められており、公益上もしくは社会の慣習上やむを得ないとされる場合や、近隣への影響が軽微である場合には野焼きが認められます。

【具体例】
・火祭りやどんど焼きなどの伝統行事
・学校教育や社会教育活動でのキャンプファイヤーやたき火
・農業における焼き畑や下枝、麦わら、稲わらなどの焼却
・消防訓練や災害時における応急措置(木くずの焼却など)
・日常生活の一部である庭掃除などで集めた少量の枝葉の焼却
など

 ただし、上記に該当する場合でも、ビニール袋やタイヤ、プラスチック類などの焼却は禁止されています。

例外的に野焼きをする場合の注意点

 実際に野焼きを行う際は、次のような点に十分配慮する必要があります。

・短時間で焼却できる量にとどめる
・時間帯を考慮する(洗濯物を干している時間帯は避けるなど)
・剪定(せんてい)した枝や雑草などは事前にしっかり乾燥させる(湿っていると煙が出やすいため)
・風向きを考慮し、風の強い日は避ける
・事前に近隣住民に連絡をして理解を得る
・住宅の近くでは焼却しない
など

 例外として認められるケースでも、近隣から苦情が出た場合は「周辺地域の生活環境に著しい影響を与えている焼却」と判断され、自治体からの指導対象になりますので、充分注意しましょう。